2012/05/05

森の集いができるまで その5

◆森の基金:出店料から出資金へ。意識の流れを変えること

出口:それから、もっと具体的な話をすると、うつぼ公園の出店料はバラ祭の規定で決まっています。

それで、出店料についてはそういうことなんですけど、この「出店料」という考え方を、もういちど考え直してみたいと思っているんです。僕自身どんこまつりっていうマーケットを主催しているんですけど、そのなかで「出店料」という考え方にずっと違和感を感じているんです。出店料というと、なにかこう、それを払って出店して、それを取り戻して、それ以上の売り上げを得て帰る、みたいな。そこになにか新しい感覚を作れないかなと思っていて。

まつりを主催する人たちがいて、その人たちに出店料を払って参加させてもらうというんじゃなくて、みんなでお金を持ち寄って、まつりを作り上げるために投資をするという感覚ですね。投資っていう言葉が正しいのか分からないけど、自分もまつりの一員になって、まつりをつくるんだというふうに、意識を変えていきたい。ベクトルとしてはうつぼ公園のマーケットに向かうんじゃなくて、うつぼ公園から外に出て行くイメージですね。

だからそこで出店料という考え方を取り除いてみませんかというのが僕の提案です。といっても実際にはお金の話なのでシビアなことだとは思います。ただ、出店料から出資金に意識を変えていくことのメリットもあると思うんです。僕自身、「ひとりひとりつながる支援」といって震災の支援をつのったら、100万以上の支援が集まったんです。そのお金は売り買いとか金銭的なやりとりで集まったお金とはちょっと違う感覚のお金なんです。だから、そのお金の取り扱いにはすごく気を使うし、ある意味ではものすごく負担です。でもある意味ではそういうもののおもしろさみたいなものも感じています。

なにがおもしろいかは、感覚的なものなので、具体的にはあんまりうまくいえないんですけど、だから出資金というふうに意識を変えることで、ふつうの売り上げとは違うおもしろさを感じてもらえるんじゃないかと思います。単なるものの売り買い以上というのか、そんな感覚ですね。

ここまでは、あくまで僕個人としての提案です。みなさんの意見を聞かせてもらって、よりよいまつりを作っていけたらと思います。(了)

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森の集いができるまで 目次

1、森の集いとは:単なるイベントではなく、イベントを超えて [LINK]
2、森の集いが形になるまで [LINK]
3、森の集いに込めた想い [LINK]
4、森の集いのねらい [LINK]
5、森の基金:出店料から出資金へ。意識の流れを変えること [LINK]